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秋の味覚の代表格といえば、さつまいも。
スーパーで買う方も多いと思いますが、実は家庭菜園でも育てやすい野菜です。

スーパーで買うと意外と高かったりしますよね。
本記事では次のような方に向けて、農業を実践する筆者がさつまいもの栽培方法を、植え付けから収穫までわかりやすく解説します。
記事を読むことで、甘くておいしいさつまいもを自宅でも収穫できるようになります。必要な道具や、初心者におすすめの品種についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
本記事のポイントは、次の通りです。
さつまいも栽培は初心者でもかんたん!理由を解説

「さつまいも栽培ってむずかしそう…」と思われがちですが、実はさつまいもは初心者にもっとも適した野菜のひとつです。ほかの野菜と比べて失敗しにくく、手間がかからない5つの理由を詳しく解説します。
やせ地でも育つほど土質に強い
さつまいもは原産地が南米の痩せた土地であることから、肥沃でない土壌でも十分に育ちます。一般的な野菜が育たないような酸性土壌や砂地でも栽培可能で、土壌改良の必要がほとんどありません。
比較的やせた土でも排水の良いところを好むので、粘土割合が12.5%未満の「砂壌土」を選んで栽培しましょう。
引用元:YUIME Japan|サツマイモを栽培する土壌のphについて知りたい(最終閲覧日2025年8月15日)
むしろ栄養豊富な土では葉ばかりが茂って芋が大きくならない「つるぼけ」が起こりやすいため、初心者の方は土づくりに神経質になる必要がないのが大きなメリットです。
肥料や水やりが少なくて済む
さつまいもは乾燥に強く、頻繁な水やりは必要ありません。植え付け直後を除けば、基本的に自然の雨だけで十分育ちます。

毎日水やりするのって結構大変ですからね。僕も去年、さつまいもをほったらかして育てましたが、結構大きくなりました!
また、肥料も元肥として少量の堆肥を混ぜる程度で問題なく、追肥も必要ありません。過度な施肥はむしろ芋の品質を下げる原因となるため、「何もしない」ことが成功の秘訣です。忙しい初心者の方でも気軽に栽培を始められ、管理の手間がほとんどかからないのが、さつまいもの魅力です。
病害虫が少なく管理が楽
さつまいもは、ほかの野菜と比べて病害虫の被害が少ない作物です。主な害虫はコガネムシの幼虫程度で、重い病気もほとんど発生しません。
サツマイモ新品種「べにはるか」は、主要病害虫であるつる割病に“強”、立枯病及びネコブセンチュウに“やや強”を示す複合的な抵抗性を持つ。
引用元:農研機構|サツマイモ新品種「べにはるか」の病害虫抵抗性及び貯蔵性(最終閲覧日2025年8月15日)
初心者が頭を悩ませる農薬の使い方や病気の診断を覚える必要がなく、栽培管理がとても楽になります。

にんにくの栽培経験もありますが、病害虫が多く、色んな種類の農薬を使いました。
葉がしげると雑草も抑制されるため、除草作業も最小限で済みます。自然の力で生育の問題を解決してくれるさつまいもは、初心者にとって安心して育てられる野菜といえるでしょう。
連作障害が少なく毎年植えられる
多くの野菜は同じ場所で連続栽培すると連作障害を起こしますが、さつまいもは連作障害がほとんどありません。
連作の障害もなく、同じ畑で何回も栽培すると上質なものができるといわれています。
引用元:JA|じゃん!2021.6|11ページ(最終閲覧日2025年8月15日)
同じ畑で毎年栽培しても収量や品質の低下が少なく、むしろ土壌環境が改善される効果があります。さつまいものつるが土をおおって雑草を抑制し、根が土を耕すような働きをするためです。

自然に雑草をおさえて、土を耕してくれるなんてめっちゃ楽ですね!
初心者の方は作付け計画を立てる必要がなく、気に入った場所で継続的に栽培できるため、経験を積みながら上達していけます。
プランターでも育てられる省スペース性
さつまいもはプランター栽培でも十分に収穫できるため、ベランダや狭いスペースしかない初心者の方にもぴったりです。

誰でも庭や畑があるわけではありませんからね。プランターで栽培できるのは手軽です。
60cm以上の深めのプランターがあれば、1苗から2〜3個の芋を収穫できます。
地植えと比べて水やりの管理はやや必要になりますが、土の状態が把握しやすく、初心者にとってはむしろ管理しやすい面もあります。
都市部にお住まいの方でも気軽に家庭菜園を始められ、秋には手作りの焼き芋を楽しめる魅力があります。
さつまいも栽培の適した時期とスケジュール

さつまいも栽培を成功させるには、適切な時期を把握することが必要です。初心者の方でも失敗しないよう、植え付けから収穫まで季節に合わせたスケジュールを詳しく解説します。計画的な栽培で美味しいさつまいもを育てましょう。

植え付けの適期(4月下旬~6月)
さつまいもの植え付けは4月下旬から6月が最適です。地温が18℃(最低でも15℃以上)になる時期を狙い、遅霜の心配がなくなってから行いましょう。
さつまいもは地温が18℃以上であれば早植えほど増収します。
引用元:日本いも類研究会|Q 苗の植え付け時期や植付け方法を教えて下さい。(最終閲覧日2025年8月16日)

市販の地温計を使うとかんたんに測れます。
初心者には5月中旬が特におすすめです。苗は晴天が2~3日続く日を選んで植え付けると根付きが良くなります。
地域によって適期が異なるため、お住まいの地域の気候に合わせて調整してください。

ちなみに、地域による植え付け時期のおおまかな違いは次の通りです。
地域 | 植え付け時期 |
九州・西日本(暖地) | 4月下旬~5月上旬 |
関東・東日本(中間地) | 5月中旬~5月下旬 |
東北・北海道(寒冷地) | 6月上旬以降 |
収穫の目安(9月下旬~11月)
さつまいもの収穫は植え付けから約120~150日後、9月下旬から11月が目安です。初心者は葉が黄色くなり始めた頃が収穫サインです。

霜が降りる前に必ず収穫を完了させましょう。晴天が続いた日を選ぶと、土が乾燥して掘りやすくなります。収穫が遅れると品質が落ちるため、適期を逃さないよう注意が必要です。
栽培期間の流れ(苗づくり~追熟まで)
さつまいも栽培の全期間は約6ヶ月です。2~3月に種いもから苗づくりを開始し、4月下旬~6月に植え付け、7~8月は除草とつる返しなどの管理作業を行います。9月下旬~11月に収穫後、2~3週間の追熟期間を経て完成です。

追熟することで、さつまいもの糖度がおよそ2倍に上がり、甘くておいしくなります。
初心者は市販の苗を購入すると手軽に始められます。苗はホームセンターや種苗店、通販などで購入可能です。各段階での適切な管理が美味しいさつまいも作りの鍵となります。
さつまいもの栽培に必要な準備・道具は?

さつまいも栽培を始める前に、必要な道具や材料をそろえておくことで、スムーズに作業を進められます。初心者の方でも手軽に入手できるものばかりなので、事前に準備しておきましょう。適切な道具を使うことで、効率的で失敗の少ない栽培が可能です。
さつまいもの栽培に必要な準備・道具は、次の通りです。
さつまいもの苗(さし苗、さし穂)
さつまいも栽培には質の良い苗選びが大切です。初心者にはホームセンターで販売されている市販の苗がおすすめです。葉が青々としており、茎が太くしっかりした苗を選びましょう。

長さ20~25cm程度で、根が出ていないものが理想的です。購入後は日陰で保管し、できるだけ早く植え付けることで活着率が向上します。品種選びも栽培成功の鍵となります。

品種ごとの特徴は記事の後半で解説しますね。
鍬(くわ)
土づくりや畝立てに欠かせない鍬は、さつまいも栽培の基本道具です。初心者には軽量で扱いやすい小型の鍬がおすすめです。

庭や畑で作業するなら、正直鍬がないとしんどいです。
土を耕したり、畝(うね)を作ったり、収穫時に土を掘り起こす際に活躍します。刃先が鋭く、柄がしっかりしたものを選びましょう。使用後は汚れを落として保管することで、長く使用できます。園芸用の小さめサイズでも十分対応可能です。
ジョウロ、水やり用具
植え付け直後の水やりに必要なジョウロは、初心者の必須アイテムです。容量は5~8リットル程度が扱いやすく、シャワーヘッドで優しく水をかけられるものを選びましょう。ホースでの水やりも効率的ですが、水圧が強すぎると苗を傷める可能性があります。

苗が傷んでしまうと、生育不良や病気発生のリスクが高まるので気を付けましょう。
さつまいもは乾燥に強い作物ですが、植え付け初期は適度な水分管理が根付きに重要です。畝が湿っていても、1度はたっぷりと水やりをしましょう。
黒マルチシート
黒マルチシートは雑草抑制と地温上昇効果があり、初心者のさつまいも栽培を格段に楽にしてくれます。幅95cm程度のものが一般的で、畝の幅に合わせて選びましょう。土の表面に敷くことで除草作業が不要になり、土の乾燥も防げます。


夏場になると思いのほか雑草が生えてくることがあるので、できる限りマルチを張っておくのがおすすめです。
植え付け穴をあける際は園芸用ナイフやカッターを使用します。収穫後は再利用可能なので経済的です。
園芸用はさみ
つる返しや収穫時の茎カットに使用する園芸用はさみは、さつまいも栽培に便利なアイテム。初心者には軽量で握りやすく、切れ味の良いものがおすすめです。さつまいものつるは意外と太いため、ある程度の切断力が必要です。
使用後は汚れを落とし、刃を乾燥させて保管しましょう。定期的に刃を研ぐことで長期間使用できます。
肥料・堆肥(必要に応じて)
さつまいもは痩せた土地でも育つため、過度な施肥は不要ですが、次のようなに必要になるケースがあります。
基本的に肥料は不要ですが、生育状況が悪い場合はさつまいも用の化成肥料を施しましょう。排水性・通気性が悪い土壌では、生育が悪くなる可能性があるため、有機堆肥の使用が有効です。
化成肥料は控えめにし、窒素分が多いと葉ばかり茂ってイモが太らない「つるぼけ」を起こします。土壌が極端に痩せている場合のみ、リン酸やカリウムを中心とした肥料を少量施しましょう。
【初心者向け手順】家庭菜園でのさつまいも栽培方法

さつまいも栽培は、初心者でも比較的かんたんに始められる家庭菜園の代表格です。適切な土づくりから収穫まで、基本的な手順を守ればおいしいさつまいもが育てられます。植え付けから約4〜5ヶ月で収穫でき、保存もきくため家庭菜園におすすめの作物です。
さつまいも栽培の基本的なステップは、次の通りです。
土づくり(排水性・通気性を高める)
さつまいも栽培で、重要なポイントのひとつが土づくりです。排水性と通気性の良い土壌を作るため、植え付けの2週間前に堆肥や腐葉土を混ぜ込みます。堆肥や腐葉土は土壌の団粒構造をつくり、適度な保水性と排水性、通気性を兼ね備えた土づくりができます。
pH6.0〜6.5の弱酸性土壌が理想的で、畝を20〜30cm高く作ることで排水性を向上させます。

ちなみに土のpHはpH試験紙や、pH測定器で計れます。
土壌がアルカリ性の場合は、ピートモスなどの改良用土を混ぜて、弱酸性土壌に近づけましょう。
粘土質の土壌では川砂やパーライトを加えて改良しましょう。
苗の植え付け(水平植え・斜め植え・船底植え)
さつまいもの苗植えには、次の3つの方法があります。
植え方 | 特徴 | メリット | デメリット |
水平植え | 苗を地面と平行に浅く植える | ・苗の各節から根が出やすく、イモの個数が多くなる ・たくさんのイモが収穫できる | 土の表面が乾燥しやすく活着が悪いことがある |
斜め植え | 苗を約45度の角度で斜めに植える | ・イモのサイズが比較的大きく育ちやすい ・早掘り栽培に向く | 苗が長いと根が横に伸び過ぎイモが細長くなることがある |
船底植え | 苗の中央をやや深く、両端を少し浮かせた舟底形に植える | ・植え付け効率が良く、植え傷みが少ない ・乾燥や寒さに強い ・芋の収穫量が比較的多い | ・植え付けの手間がかかる ・イモのそろいがやや悪くなることがある |

水平植えは茎を土に平行に植える方法で、多くの小さなイモができます。斜め植えは茎を斜めに植え、中サイズのイモが適量収穫できる初心者におすすめの方法です。船底植えは茎の中央部分だけを土に埋める方法で、大きなイモが少量できます。

僕は斜め植えで植えました。結構大きなサイズのさつまいもが収穫できましたよ。
株間は30〜40cm確保しましょう。
植え付け後の水やりと管理
植え付け直後は根付くまで毎日水やりをおこないますが、根付いた後は基本的に水やりは不要です。さつまいもは乾燥に強く、過度な水やりは根腐れの原因となります。梅雨時期は排水に注意し、真夏の極度な乾燥時のみ朝夕に軽く水を与えます。

去年植えたさつまいもは、植え付け後に水をあげて、そのあとは一度もあげませんでした。それでも立派に育ってくれました。
肥料は植え付け時の元肥のみで十分で、追肥は控えめにしましょう。
つる返し・除草などの手入れ
つる返しは7〜8月に行う重要な作業で、伸びたつるを持ち上げて根を切ります。イモに栄養が集中し、品質の良いさつまいもが育ちます。

月1〜2回のペースで除草を行い、土寄せも同時に実施します。つるが隣のうねにかからないよう整理し、病害虫の早期発見することで、健全に育てられます。
収穫のタイミングと方法
さつまいもの収穫は植え付けから約120〜140日後の10〜11月が適期です。
植え付け後、 120~140日程度で収穫となります。収穫が早すぎると食味が悪く、遅すぎると塊根(イモ)の形が乱れるので、適期に収穫(掘り取り)します。
引用元:ホームセンターバロー|さつまいも栽培の手引き(最終閲覧日2025年8月18日)
葉が黄色くなり始めたら収穫のサインで、霜が降りる前に完了させます。晴れた日の午前中に収穫し、ツルを地面近くで切り取り、スコップで株の周りを掘って慎重にイモを取り出します。傷つけないよう丁寧に扱い、土を軽く落として風通しの良い場所で1日乾燥させます。
追熟・保存のコツ
収穫直後のさつまいもは甘みが少ないため、追熟させましょう。新聞紙に包んで段ボール箱に入れ、13〜15℃の暗所で2〜3週間保存すると甘みが増します。

去年収穫したときは、追熟について知りませんでした…。それでも甘くておいしかったですけどね。今年は追熟します!
追熟後は10〜15℃の冷暗所で保存し、湿度が高すぎると腐敗するため風通しを確保します。適切に保存すれば3〜6ヶ月間美味しく食べられ、家計にも優しい保存食材として活用できます。
さつまいもの生育に必要な環境条件

さつまいも栽培を成功させるには、必要な環境条件を理解することが欠かせません。初心者でも温度・日照・水分・土壌の4つの基本条件を把握すれば、家庭菜園でも美味しいさつまいもを育てることができます。
条件を満たすことで、健全な生育と豊富な収穫が期待できます。

完全に調整するのはむずかしいかもしれませんが、知識としてもっておくだけでも栽培に役立てられるはずです。
温度:生育適温は20~35℃
さつまいもは暖かい気候を好む作物で、生育適温は20~35℃です。15℃以下では生育が停止し、10℃以下では枯死する可能性があります。
サツマイモ(甘藷)は中南米原産のため、栽培期間の適温は20~35℃と高めであり、収穫までの積算温度も3,000℃以上必要です。
引用元:minorasu|サツマイモ(甘藷)生産量の都道府県ランキング! 収量アップ&省力化のコツとは(最終閲覧日2025年8月18日)
植え付けは地温が18℃以上になる5月中旬以降が適期で、夜間温度が15℃を下回らなくなってから行いましょう。初心者は気温が安定した6月の植え付けがおすすめで、マルチシートを活用すれば地温上昇効果も得られます。
日照:1日11~12時間
さつまいもの栽培には十分な日照が必要で、1日11~12時間の日照時間が理想的です。
塊根形成には、1日11~12時間の日照時間が最適で、7時間以下ではいもの肥大が阻害され、特に生育後期の日照不足により乾物生産が顕著に減少する。
引用元:日本いも類研究会|さつまいもの栽培特性・条件(最終閲覧日2025年8月18日)
光合成が活発になることで糖分の蓄積が進み、甘いさつまいもが育ちます。半日陰では生育が悪くなり、イモの肥大も不十分になるため、家庭菜園ではできる限り日当たりの良い場所を選びましょう。

雑草によって日光が遮られる場合もあるので、こまめに確認しましょう。
初心者は、建物や樹木の影にならない南向きの場所で栽培するのがおすすめです。
水分:土壌水分は60~70%が最適
さつまいも栽培における土壌水分は60~70%が最適です。
生育期間中470mm程度の降雨量、土壌水分60~70%が最適とされます。
引用元:三好アグリテック|サツマイモ定植後の栽培条件と生育(最終閲覧日2025年8月18日)
過度な乾燥は生育不良を招き、逆に水分過多は根腐れや病害の原因となります。植え付け後2週間は土の表面が乾いたら水やりを行い、その後は基本的に自然降雨に任せます。
初心者は土を指で押して湿り気を確認し、梅雨時期は排水対策を、真夏の極度な乾燥時のみ補助的な水やりを心がけましょう。家庭菜園では、手で土を軽く握ったときに団子状にまとまる程度かどうかが目安になります。

基本的に乾燥地帯でも育つ作物なので、敏感になりすぎなくても大丈夫です。
家庭菜園時の排水対策には、次のようなものがあります。
土壌:水はけと通気性の良い土壌
さつまいもは水はけと通気性の良い土壌を好みます。粘土質の重い土壌では根の発達が悪くなり、形の悪いイモになってしまいます。理想的な土壌はpH6.0~6.5の弱酸性で、有機物を豊富に含んだ軽い土質です。

団粒構造の状態になっている土が理想的でしたね。
初心者は植え付け前に堆肥や腐葉土を混ぜ込み、高うねを作ることで排水性を改善できます。砂質土壌でも栽培可能で、土壌改良により収穫量の向上が期待できます。
初心者におすすめのさつまいも品種

さつまいも栽培初心者にとって、品種選びは楽しみな要素のひとつです。育てやすさとおいしさを兼ね備えた品種を選ぶことで、家庭菜園での栽培がより楽しくなります。病害虫に強く、収穫量も安定している代表的な6品種をご紹介します。
それぞれの特徴を理解して、お好みに合った品種を選びましょう。
紅あずま(甘味とホクホク感)

紅あずまは初心者にもっともおすすめのさつまいも品種です。病害虫に強く、栽培しやすく、収穫量も安定しています。皮は濃い紅色、果肉は黄白色で、加熱するとホクホクとした食感と程よい甘味が楽しめます。
貯蔵性にも優れており、収穫後2~3ヶ月間はおいしく保存できます。焼き芋、天ぷら、煮物などさまざまな料理に活用でき、家庭菜園初心者の最初の品種としてぴったりです。
鳴門金時(和菓子にも向く)

鳴門金時は徳島県の特産品として有名な高級さつまいもです。栽培は比較的かんたんで、初心者でも上質なイモを育てることができます。果肉は鮮やかな黄金色で、上品な甘味と滑らかな食感が特徴です。
加熱すると美しい色合いを保ち、和菓子の原料としても重宝されます。収穫量は中程度ですが、品質の高いイモが期待でき、贈答用としても喜ばれる価値の高い品種です。
紅はるか(しっとり系で人気)

紅はるかは近年人気急上昇中のしっとり系さつまいもです。初心者でも栽培しやすく、病気にも強い丈夫な品種として知られています。皮は濃い紅色、果肉はクリーム色で、焼くとねっとりとした食感と濃厚な甘味が楽しめます。
糖度は40度を超えることもあり、まるでスイーツのような美味しさです。貯蔵によりさらに甘味が増すため、収穫後の追熟が楽しみな品種でもあります。
安納芋(糖度が高い)

安納芋は種子島原産の超高糖度さつまいもとして人気の品種です。栽培には若干コツが必要ですが、初心者でも基本的な管理を守れば十分育てられます。果肉はオレンジ色で、焼くと糖度20度以上の甘味があります。
ねっとりとクリーミーな食感は、ほかの品種では味わえない特別さがあります。小ぶりなイモですが、濃厚な甘味は焼き芋として絶品で、家庭菜園の醍醐味を存分に味わえます。
シルクスイート(なめらか食感)

シルクスイートは名前の通り絹のようになめらかな食感が魅力のさつまいもです。初心者にも育てやすく、病害虫への耐性も高い安定した品種です。皮は薄い紅色、果肉は淡い黄色で、加熱すると上品な甘味となめらかな舌触りが楽しめます。
焼き芋にすると口当たりが非常に良く、お年寄りや小さなお子様にも人気があります。収穫量も多く、長期保存も可能で実用性の高い品種として注目されています。
パープルスイートロード(紫色で栄養豊富)

パープルスイートロードは美しい紫色が特徴的な栄養価の高いさつまいもです。初心者でも比較的栽培しやすく、見た目のインパクトで家庭菜園を彩ります。果肉は鮮やかな紫色で、アントシアニンを豊富に含み健康効果も期待できます。
甘味は控えめですが、独特の風味があり、スイーツ作りや料理の彩りとして重宝します。収穫量は中程度ですが、ほかにはない特別感のある品種として栽培する価値があります。
さつまいも栽培で失敗しないための注意点

初心者がさつまいも栽培でおちいりやすい失敗を事前に知ることで、成功率を大幅に上げられます。水やりや肥料管理、病害虫対策など基本的なポイントを押さえれば、家庭菜園でも豊富な収穫が期待できます。

去年はじめてさつまいもを作りましたが、放置していても特に問題なく育ちました。ただ、念のため注意点をおさえておきましょう。
よくある失敗例と対策を理解して、おいしいさつまいも作りを成功させましょう。
過湿を避けて根腐れ防止
さつまいも栽培で多い失敗が、水のやりすぎによる根腐れです。さつまいもは乾燥に強い作物で、過湿状態が続くと根が腐り、株全体が枯死してしまいます。植え付け後2週間以降は基本的に水やり不要で、梅雨時期は排水対策を重視しましょう。

家庭菜園でできる排水対策は上述したので、参考にしてみてください。
初心者は「水やりしたい気持ち」を抑えることが重要で、土の表面が白く乾いても地中には水分が残っているため、自然降雨に任せるのがベストです。
肥料の与えすぎはつるぼけの原因
肥料の与えすぎは「つるぼけ」を引き起こします。特に窒素過多は地上部の成長を促進し、肝心のイモの肥大を阻害してしまいます。
特に窒素過多では「つるぼけ」を起こし、いもの形成が不良となり肥大生長が阻害されて収量低下が著しい。
引用元:日本いも類研究会|X 栽培技術(最終閲覧日2025年8月18日)
さつまいもは痩せた土地でも育つ作物で、植え付け時の元肥だけで十分です。「大きくしたい」という気持ちがあるかもしれませんが、追肥は控えめにすることが成功の秘訣です。むしろ肥料不足の方が美味しいイモができることを覚えておきましょう。
雑草はこまめに除去
雑草の放置はさつまいもの生育に深刻な影響を与えます。雑草は栄養分や水分を奪うだけでなく、病害虫の温床となりやすく、風通しも悪化させます。特に植え付け後1ヶ月間は株が小さく雑草に負けやすいため、週1回程度の除草を心がけましょう。

去年育てたときはなかなか除草に行けなかったので、今年はこまめに確認しています。
初心者は雑草が大きくなる前の小さな段階で取り除くことがポイントです。マルチシートの活用も雑草抑制に有効です。

広めの畑では除草作業が負担になるので、便利なアイテムを使うのもおすすめです。
病害虫(ネコブセンチュウ・イモキバガ)に注意
さつまいも栽培では主にネコブセンチュウとイモキバガの被害に注意が必要です。ネコブセンチュウは根にコブを作り、イモの品質を著しく低下させます。
ネコブセンチュウ類は成虫でも体長1mm未満程度で無色のため、肉眼で見つけることがほぼ不可能で、気づいたときには被害が深刻になっていることもあります。
引用元:minorasu|ネコブセンチュウ類の防除に有効な農薬一覧!被害を抑える対策方法とは?(最終閲覧日2025年8月18日)

ネコブセンチュウに害されると、さつまいもには次のような症状が出ます。
連作を避けたり、米ぬかや石灰窒素などの資材をすき込んで、土壌消毒したりするのが有効な対策です。
イモキバガは葉を食害し、幼虫がイモに侵入することもあります。初心者は定期的な観察を心がけ、被害を発見したら早期に防除することが重要。連作を避け、マリーゴールドなどのコンパニオンプランツを活用することで予防できます。
有機栽培では防虫ネットの活用も効果的です。
つる返しで芋の肥大を促す
つる返しは7~8月に行う重要な管理作業で、怠ると収穫量が大幅に減少する場合があります。つるから出る不定根を切ることで、栄養をイモの肥大に集中させる効果があります。晴れた日の午前中に、つるを持ち上げて土から離し、根を切ります。

つる返しの図を上述してあるので、ぜひ参考に。
初心者は月2回程度のペースで実施し、同時につるの整理も行いましょう。つるが隣の株にからまないようにすることで、風通しも良くなり病害虫の予防にもつながります。
初心者でも家庭菜園でさつまいも栽培は楽しめる!
本記事では、次のような方に向けて、さつまいも栽培のポイントやおすすめの品種について解説しました。
本記事のポイントは、次の通りでした。
さつまいも栽培は初心者でも成功しやすい家庭菜園の代表格です。適切な環境条件を整え、水やりや肥料を控えめにし、つる返しなどの基本管理を丁寧におこなえば、おいしいさつまいもが収穫できます。

初心者でも基本を守れば、予想以上の収穫が期待できますよ。僕も今年の収穫が楽しみです!
品種選びから収穫・保存まで、この完全ガイドを参考に、ぜひ家庭菜園でのさつまいも栽培にチャレンジしてみてください。
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